AIゲームメーカーで最初の1本を完成させる手順
AIゲームメーカーで遊べる1本を作る流れを、企画の絞り込み、指示文の書き方、操作感の確認、つまずきやすい点の順に解説する。プログラミング不要で、スマホだけで完結する。


AIゲームメーカーを探している人の多くは、作りたいゲームの輪郭がまだ固まっていない。頭の中には「なんか面白いもの」がある。それでいい。問題は、その状態のまま作成画面を開くことだ。
この記事では、企画を1画面の遊びに絞り込むところから、最初のプレイアブル版を触って直し、人に渡せる形にするまでを順に扱う。プログラミング不要。スマホだけで完結する前提で書く。
AIゲームメーカーで作れるものは、まず軽い遊びに限られる
BinkBinkのAIゲームメーカーが返すのは、1プレイが数十秒から数分で終わる規模のゲームで、画面を埋める要素も操作も意図的に少なくできている。プログラミング不要で、指示は日本語のまま通じる。公式サイトのカテゴリを見ても、3Dランナー、パズル、マッチパズル、アクション、シューティング、カジュアルといった面々が並ぶ。どれも操作系が1つで、画面も1枚で完結する。
作れないものも先に書いておく。オープンワールド、長編のRPG、多人数が同時に遊ぶ仕組み。商業タイトルの完全な再現も無理だ。既存作から借りるなら、コアループを1つだけ持ってくる。「追われながら障害物を避ける」なら、その1点だけをルールに落とし込めばいい。
公式サイトは「アイデアを数分で遊べるゲームに変える」と説明している。ただし数分で到達するのは、動く状態までだ。面白い状態までは、そのあとの調整が要る。
作りたいゲームを1画面の遊びに絞り込む
AIでゲームを作るとき、最初に決めるのは見た目ではない。プレイヤーは何を操作するのか、何を避けて何を取るのか。どうなったら終わるのか。この3つだ。
3つが決まっていない企画は、指示文にした瞬間に崩れる。たとえば「敵を避けながらコインを集める」という企画でも、敵の数とコインの出現間隔が決まっていなければ、AIは毎回違う難度のゲームを返してくる。
例を1つ挙げる。「配達員が夕方の商店街を自転車で走り、段ボールを避けてコーヒーを拾う」。この時点で、操作は左右移動、目的はコーヒー、失敗は段ボールに3回当たること、と決まる。ここまで畳めれば、もう作り始めていい。
要素を増やしたくなる気持ちは分かる。だが1版目に3要素を入れると、不具合が出たときに原因を切り分けられなくなる。絞るのは我慢ではない。後で直すための準備であり、そのほうが結果的に速い。
AIゲームメーカーに渡す指示文は動き・目的・失敗条件で書く
指示文は3行で足りる。1行目に動き、2行目に目的、3行目に終了条件。そこに数字を足す。
「左右に動く」より「3レーンを左右に移動する」。「速くする」より「10秒ごとに速度が5%上がる」。数で書けるものは数で書く。「たくさん出す」より「障害物は同時に最大4つ」だ。数字がない指示は、AIにも読み手にも解釈の余地を残す。その余地は、たいてい事故になる。
実際に渡すなら、こう書く。
縦画面の2Dランナーで、プレイヤーは3レーンを左右に移動する配達員。段ボール箱を避け、コーヒーカップを拾うとスコアが10点増え、拾うほど背景の色が変わる。10秒ごとに移動速度が5%上がり、段ボールに3回当たると終了する。背景は夕方の商店街で、BGMは軽快なチップチューン。
見た目の指定は最後の1文にまとめた。色や背景を最初に細かく書くと、動きを直すたびに指示文が長くなる。順番を変える。それだけで直す回数は減る。
テキストからゲームを作る流れは、この一段でほぼ決まる。文章が曖昧なら、出てくるゲームも曖昧になる。指示文の精度が、そのまま結果に出る。
最初のプレイアブル版で、ゲームの操作感を先に確かめる
生成されたら、まず30秒触る。面白いかどうかの判断はまだ早い。見るのは3つ。押してから動くまでの遅れ、当たったかどうかの納得感、失敗した理由が画面から分かるかどうかだ。
では、どこから直す? 判定からだ。
当たり判定がずれたまま速度を上げると、プレイヤーは自分の操作が下手なのかゲームが雑なのか判断できなくなり、そのまま閉じる。見た目は最後でいい。
1版目の目的は「触れる状態で止める」ことだ。ここで止める。要素を足すのは2版目からでいい。
AIゲームメーカーでつまずきやすい4つのポイント
欲張った指示で一度に全部を頼む
最初の生成で敵の種類やスコア、BGM、タイトル画面まで要求すると、返ってきたもののどこが悪いのか分からなくなる。1回の生成で変える要素は1つか2つに抑える。
感想をそのまま次の指示にする
「なんか楽しくない」では何も変わらない。楽しくない原因は、たいていテンポか難度か、成功したときの手応えだ。「拾ったときの音と画面の反応を強くする」のように、起きてほしい出来事へ翻訳する。
商業タイトルの再現を狙う
遊びたい気持ちは分かる。だが複雑な商業ゲームをそのまま作るのは無理だ。仕組みを1つ借りて、自分の企画に置き換える。名前や見た目を似せる必要はない。
実機のスマホで確認しない
PCの画面で確認すると、指で隠れる位置や縦画面の余白に気づけない。公開の前に、必ずスマホで1プレイする。
2版目に足すゲーム要素、足さない要素
2版目で足すのは、1版目で気になった1点を潰すための要素だ。テンポが単調なら速度の変化を足す。成功が地味なら音と画面の反応を足す。
逆に、ストーリー分岐と育成と実績を同時に足すのはやめる。どれが効いたのか分からなくなるし、調整のたびに全部を触ることにもなる。
足す前に、1版目を5回遊ぶ。5回遊んで飽きるなら、要素を足す前にテンポを直す。
ゲーム作成から共有までの流れを手順にする
実際の順番に並べる。
- binkbink.ai を開く。
- スマホならアプリからでも、同じ作成画面に入れる。
- 画面の「作成」を押す。
- 絞り込んだ企画を、動き・目的・失敗条件の3行に直して入力する。
- 生成されたら、その場で1プレイ。まず30秒だけ触る。
- 直したい点を1つだけ足して、もう一度生成する。
- 操作感に納得したら、共有リンクを相手に渡す。
共有の前に見るのは4つ。タイトルだけで遊び方が伝わるか、サムネイルで中身が想像できるか。1プレイが長すぎないか。初見の人が最初の10秒で操作を理解できるか。
相手は1人でいい。身近な人にリンクを送り、こちらから何も説明せずに遊んでもらい、どこで指が止まったかだけを聞くのがいちばん早い。説明を足したくなるなら、その部分はゲーム側で伝えられていない。
AIゲームメーカーに関するよくある質問
無料で使える?
公式サイトは無料のオンラインゲームとゲーム作成ツールとして案内している。課金の範囲は変わりうる。最新の条件は作成画面の表示で確認してほしい。
スマホだけで作れる?
作れる。BinkBinkはGoogle PlayとApp Storeにアプリを出していて、ブラウザからも遊べる。作成もスマホの画面で完結する。スマホゲーム制作の入り口としては、これ以上ないほど敷居が低い。
プログラミングの知識は要る?
要らない。指示は日本語で書ける。ただし、曖昧な言葉を具体的な数字と出来事に置き換える力は要る。そこだけは練習になる。
最初の1本は、小さくていい。1画面、1操作、1つの失敗条件で足りる。それが動いたら、次は面白くする番だ。ゲームの作り方に正解はないが、最初に何を決めるかで、そのあとの時間の使い方は変わる。作りたいものがまだ曖昧なら、3つの問いに答えるところから始めよう。





