GTAに似たゲーム5選。街で何をしたいかで選ぶ
GTAに似たゲームを5本、格闘・潜入・運転・物語のどこが主役かで選んだ。Mafia、Sleeping Dogs、Saints Row、Watch Dogs 2、Just Cause 4の向く人と、番外のCyberpunk 2077が別物である理由を解説する。


GTAに似たゲームを探している人の多くは、同じものを求めていない。運転の気持ちよさが欲しい人もいれば、銃撃の手応えが欲しい人もいる。GTAがクライム系オープンワールドの基準とされるのは、街を走る行為そのものが遊びになっているからだ。行き先を決めずに車を流し、寄り道の先で事件に巻き込まれる。ミッションの順番を無視できるのも、その延長にある。
ここで挙げる5本は、どれもGTA風ゲームとして売られている。だがクライムアクションという看板だけでは、中身の違いは見えない。起動して30分でやることはまるで違う。街の広さや売上の規模ではなく、手を動かしたときに何が起きるかで選んだ。
Mafia: Definitive Edition は、GTA風ゲームの中でもっとも速く走らない1本だ
1930年代のアメリカを模した街は、広いのに寄り道を許さない。車は当時のモデルで、現代のスポーツカーのようには走らない。アクセルを踏み続けても景色はゆっくり流れ、その遅さが作品の性格を決めている。
Mafia: Definitive Edition は2020年にHangar 13が手がけた、2002年作品の作り直しだ。街を自由に走れるが、物語は章ごとに区切られ、章の中の手順はかなり固い。潜入する前に車を止める場所、護衛を片づける順番、そういった段取りを踏むことで話が進む。
つまりこの作品は、街を遊び場として差し出していない。街は舞台装置で、主役は1930年代の犯罪映画のような脚本のほうだ。銃撃戦は遮蔽物に隠れて撃ち合う形が中心で、GTAのように車ごと突っ込んで混乱させる遊び方は想定されていない。
向いているのは、映画のように物語を浴びたい人だ。1章を1晩で区切って遊ぶとテンポが合う。逆に、街で思いつきで悪さをしたい人には窮屈に感じられる。
メリット
- 街並みと車の時代考証が細かく、走るだけで時代に入れる
- 章単位の区切りがよく、短時間でも物語を進められる
デメリット
- 寄り道の自由度は低く、街の施設にほとんど用がない
- 章の手順を外すとやり直しになる場面がある
Sleeping Dogs は素手の喧嘩で GTAに似たゲームの枠を広げた
GTAでは銃を撃つ前の前座になりがちな格闘を、この作品は主役に据えている。相手の攻撃に合わせてカウンターを入れ、壁や電話ボックス、冷蔵庫の扉といった街の道具に叩きつける。素手のまま複数の相手を処理する流れが気持ちよく、銃はむしろ緊急手段として残されている。効くのは、その切り替えだ。
2012年にUnited Front Gamesが開発し、スクウェア・エニックスから発売された。舞台は香港で、主人公は潜入捜査官。2014年には追加要素をまとめたDefinitive EditionがPS4とXbox One向けに出ている。
比較のためにGTAと並べると、差が出るのは移動の密度だ。香港の街は路地が細かく、屋台と看板が視界を埋める。車で飛ばすより、走って角を曲がるほうが楽しい場面が多い。カラオケや格闘クラブのような寄り道も、この街の濃さを前提に置かれている。
格闘の間合いを取りたい人、アジアの都市の雑多さを歩きたい人に向く。
Saints Row(2022)が刺さるのは、犯罪を真面目に語るのが馬鹿らしくなった時だ
週末の夜、頭を使わずに暴れたい。そういう気分のときに起動するゲームである。2022年にVolitionが作ったシリーズの再出発で、舞台は砂漠に囲まれた架空の都市サント・イレソ。主人公は友人たちと組を立ち上げ、借金まみれの生活から抜け出そうとする。
売り物はカスタマイズの細かさだ。主人公の見た目、車の塗装、武器の見た目までいじれる。街のなかで店や拠点を増やしていく犯罪事業も、資金集めと縄張り作りを兼ねている。協力プレイにも対応し、2人で同じ街を騒がせられる。
トーンは徹底して馬鹿げている。真面目な犯罪ドラマを期待すると肩透かしを食うし、逆にこの軽さが合う人には週末の気晴らしになる。ミッションの作りは素直で、覚えることは少ない。そのぶん、10時間も遊ぶと作業感が出てくる。
メリット
- 見た目と車をいじる時間が長くとれる
- 2人で遊べるので、だらだら騒ぐ用途に向く
デメリット
- 物語の重さを求める人には物足りない
- 10時間を超えると、似た依頼の繰り返しが目立つ
Watch Dogs 2 で銃をしまうと、GTA風ゲームは監視のパズルに変わる
銃を一丁も撃たずに主要なミッションを終えられる。2016年にUbisoftが開発し、舞台はサンフランシスコ。主人公はハッカー集団DedSecの一員で、街の監視網そのものを相手にする。
制限区域に近づいたときの手順は、GTAとは別の種類の緊張を生む。
- 建物の外周でドローンを飛ばし、監視カメラと警備の位置を把握する
- 端末に侵入してカメラの向きを変え、警備の巡回ルートをずらす
- 死角ができたところで目的の端末に直接触れる
この手順を踏むと、GTAなら銃撃で片づける場面が、観察と順番の設計に置き換わる。警備を眠らせる、車を遠隔で動かして注意を引く、といった手もあり、同じ建物に何通りもの入り方がある。
車の挙動は素直だが、この作品の主役ではない。運転の気持ちよさを求めて買うと、期待は外れる。軽いノリの会話が続くので、雰囲気の重さを求める人にも向かない。
Just Cause 4 の地図は、ミッションより先に遊べる
地図の広さを自由度の指標にすると、判断を誤る。では、自由さは何で測ればいいのか?2018年にAvalanche Studiosが開発したこの作品の場合、答えは面積ではなく移動の手段の数だ。ワイヤーで物を引き寄せ、パラシュートとウィングスーツで滑空し、山を越えて基地の屋上に降りる。移動そのものが遊びになっている。
舞台は南米風の島国ソリス。天候が変わり、竜巻や雷雨が地形ごと表情を変える。基地を破壊すれば混乱度が上がり、その状態で別の拠点に攻め込む流れが作れる。ミッションを後回しにして、基地の一つを崩すだけでも30分は持つ。
脚本は薄い。人物の名前を覚えなくても遊べてしまう程度には薄い。だから物語を求める人には向かないし、同じ拠点の崩し方を繰り返すことに飽きる人もいる。作業用のBGMのように、短い時間で区切って遊ぶほうが合う。
Cyberpunk 2077 は GTAに似たゲームの棚に並ぶが、5本には入れなかった
GTAの代わりに買うと、最初の30分で面食らう。2020年にCD Projekt Redが出したこの作品は、三人称ではなく一人称で、カメラが主人公の目の位置に固定される。車を運転するときも、街を歩くときも同じだ。候補としては挙がったが、この5本には入れていない。似ているのは街の見た目だけで、遊びの骨格が別物だからだ。
街の作り込みは細かい。夜のネオン、路地の屋台、建物の上層と下層で変わる住人の層。ただ、そこで起きることはRPGの作法で決まる。能力値を上げ、会話の選択肢を選び、武器や義体の組み合わせで戦い方を変える。GTAのように「うまく運転して逃げ切る」より、「どの手段で切り抜けるかを選ぶ」ゲームに近い。
運転と銃撃の手触りは主役ではない。ここを評価の中心に置くと、この作品の良さは見えない。逆に、設定を読み、ビルドを組み、会話の結果を受け止める遊びが好きなら、長く遊べる一本だ。
GTAに似たゲーム5本の違いは、起動して最初の30分に出る
五本を並べると、違いは街の広さではなく、主役になる操作に現れる。次の表は、起動して最初の30分で何をするかで分けたものだ。
作品 | 主役になる操作 | 街の使い方 | 向く遊び方 |
|---|---|---|---|
Mafia: Definitive Edition | 車の運転と遮蔽射撃 | 章の舞台として使う | 物語を1章ずつ |
Sleeping Dogs | 素手の格闘 | 路地を走って回る | 短い依頼を連続で |
Saints Row(2022) | カスタマイズと破壊 | 拠点を増やす | 2人で騒ぐ |
Watch Dogs 2 | 端末操作と観察 | 監視網をいじる | 警戒を出さずに潜入 |
Just Cause 4 | ワイヤーと滑空 | 地形ごと遊ぶ | 10分単位で散策 |
物語を浴びたいならMafia、体を動かしたいならSleeping Dogs。この2本で迷う人は、銃を撃つ時間と素手で戦う時間のどちらを長く取りたいかで決めればいい。GTAに似たゲームを探す動機が「街をぶらぶらしたい」なら、Watch Dogs 2かJust Cause 4のほうが満たされる。
どれもGTAの完全な代替にはならない。ただ、GTAで足りないと感じた部分を補う作りにはなっている。まずは気になった1本を30分だけ起動し、最初の依頼を終えたところで続けるか判断する。操作の主役が自分に合うかどうかは、その30分で大体分かる。





